2021年、今年もコロナが収まらない2度目の夏がやってきて、今週8月が終わりました。
夏を実感したくて、海風にあたりたくて、
思い立ってATAMIに向かったのです。
1泊どこにとまろうかと「熱海 宿」と調べるとゲストハウスのマルヤがヒットし、
ゲストハウスとカフェがつながっていて、入り口が開放的、コンセプトは「泊まると熱海がクセになる」に惚れて、即予約。
ここマルヤで一番楽しみにしていたのが、朝食。ごはんとみそしるで300円。
そこに自分の好みの干物をグリルで焼けるのだ。干物はマルヤの目の前に干物屋さんがあって、買ってきた干物をや食くスタイル。
この鯖の干物が約400円くらいかな。
鯖の干物をかって、
そっとグリルの上にのせた。
うすぺら〜く、皮はてっかてかに光っている。
はじめに皮のグリル上にのせて、蓋をしめる。
7分後ふたをあけると、ふわっとけむりが上がってきて、香ばしい香りが風に乗っかって運ばれてくる。
ひっくりかえして、2分待つ。
最後はもう一度ひっくり返してまた2分待つ。
焼き始めて12分、
いい色に焦げがついていて、脂身がぐつぐつつぶやいている。
このじわ〜っと油がでているのがたまらん。
白いご飯とお味噌汁に鯖の干物グリル焼き。
熱海の朝ご飯。
お箸を通すと、ふわっと身が崩れて香ばしい香りが白いご飯をそそる。
こんなに美味しい焼き魚を食べたのは初めてかも!!
と心底思った。
グリルや網焼きで魚を焼いて食べるのは、
海外で釣りして自分で釣ったサーモンを食べた以来だろう・・・。
熱海の朝ご飯。熱海さいこう、干物さいこう、お魚さいこう。
心の中で唱えながら、丁寧にいただきました。
干物でいうと、昔からするめやイカがすきで、
おやつにたべていたものだ。
するめを辛子マヨネーズにつけてたべるのが、ベーシックながらも一番美味しい。
ある日、するめやを食べていたら、おばあちゃんから「干物おんなになるよ」と言われたことを思い出す。
干物女というえば、
2000年代テレビドラマで、干物女をテーマにしたドラマ「ホタルノヒカリ」が放送された。
綾瀬はるかが演じる雨宮ほたるは、インテリアデザインに勤める働き女子だが、家にかえると
ジャージ姿になり、恋愛なんかすっぽかしてビール片手に縁側でゴロゴロするのだ。そんな女性を当時のドラマでは干物女と呼ばれていた。
ドラマが放送されたののが、私が中学生くらいの時だったと思う。
ジャージ姿に前髪ちょんまげの彼女をみて、自由で可愛らしいなと思っていた。
おばあちゃんが意図していた干物女が何をさしていたのかはわからないが、
「干物女」というのは当時ドラマの中では存在していた。
あれから魚の美味しさや香りがわすれられず、
これまで素通りだったスーパーの干物売り場をじっくりみることが多くなった。
「今日も熱海の干物の味を再現するぞ!」と勢いでフライパンの上でやいたけれど、当たり前の様にあのグリルで焼いた味や色味は再現できないものだ。
味も一期一会みたいなものなんだよな・・・と思いながら
フライパン焼きの干物をたべた。
じゃあキャンプや川辺で、熱海で買った鯖の干物をやいたら、
同じ味になるのか・・・といったら、そうでもないだろう。
熱海の地元を感じられる場所とのんびりとした朝の時間があっての、味なんだろうなと思った2021年の夏。