徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】パッドマン 5億人の女性を救った男

インド映画『パッドマン』を観てきた、これがまた素晴らしいインド映画で。インド映画って2時間超えの作品が多いけど、劇中にミュージカルが入ってきたりして、飽きずに見れるところが良い。

 

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今まで観たインド映画は、『きっとうまくいく』『PK』『マダム・イン・ニューヨーク』などで、宗教、文化、学歴問題といった社会問題のテーマを音楽やダンスを取り入れているなぁと思う。今回は、地位も名誉も学位もない男性が愛する妻のために、ナプキンを作る奮闘物語。

あらすじを読んだときは、男性であるラクシュミがナプキン作り…なぜ?という疑問があった。愛する妻がボロ布をナプキンとして使っていて、衛生的に良くない、病気になってほしくないという愛する人のためを思ってナプキン作りを始めた、ラクシュミの優しさと愛情があってなんだと。

愛する人のことを思って行動する意思って、ちょっとのことでは折れないし、実現されるまでやり抜けられるものなんだなぁと感動してしまった。

描かれていた時代は2000年代くらい。インドではナプキンや生理の話をを公にすることは、生理=恥であるという考えが昔から伝えられていて、恥になるくらいなら死んだほうがマシよ!!といってるほどだから、男性がナプキンを作るなんて、変な目で見られるのは当たり前なことだろう。
そうナプキン作りもうまくいかず、奥さんや奥さんの家族にまで恥を晒し、町を出て行くことになるんだけど、そのときに、
ナプキンの「恥」を「尊敬」に変えてみせるって言って町を去った、ラクシュミのあの表情は忘れられない。

インドの生理用ナプキンの普及は12%。ナプキン1パック(20個入り)で、217円もするんだって。ナンは22円、ランチやディナーは93円くらいに対して217円って、ご飯の倍かかる。そりゃ、、家庭に余裕がなければ、ボロ布で処置しちゃうな…。
自ら発明したナプキン製造機で作ったナプキンは、1個4円というお値段。インドって生理になると5日間は外に出てないといけない文化があるらしくて初めて知った(これは地域もしくは家系によるのかな) 。5日間は
仕事はできないし、ご飯も一緒に食べないみたいな。
ナプキン製造工場も各地に作り、女性の雇用も創出して、インド社会をよりよくしたラクシュミの行動と精神に拍手。行動し続けて起きる奇跡に涙をこらえてしまうほど感動もの。

映画の中の語っている演説は、慣れない英語で文法が間違っていたり、表現できなかったりしているんだけど、彼の思いが伝わるのは、お金のためではない、ほんきで社会をよりよくしたい、変えていきたいと心の底から思っているからであろう。
実際TEDトークもあるそう。
下半期、2018年のベスト10にランクイン。ドキュメンタリー映画って、まだ自分が知らないリアルな感動を肌で感じることができるから面白い。世界には彼のように、社会をよりよくするために成功と失敗を繰り返して発明している人がいると思うと、自分も社会に対して何か還元していかなければならないと考えてしまった。


とにかく素晴らしい映画。たくさんの人に観てほしい、知ってほしいな。