徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

家族にはいろんな形があるってね。

もう一度見ておきたかった映画がある。今年3月に公開した『blank13』。70分と映画にしては短いんだけど、なんとも言えない充実感という前半後半のギャップに驚かされ笑わされ涙。

13年前に失踪した父(リリーフランキー)が余命3ヶ月で見つかり、葬式の日に13年の空白の時間を父の友人から聞かされ、大人になった子供たちは幼少期の頃の思い出を思い出す…。

 


葬式に集まった父の友人たちは見た目からして大丈夫かって思ってしまう人たち。そんな彼らは父と過ごした日々を懸命に語る。その内容が、子供たちからすると知られざる一面や人柄の良さであること。

借金をかかえて隠れて過ごしていた13年前は、もう家族みんなが生キルことだけでいっぱいで、父親のことを想うなんてことができなかったんだろう、と勝手に解釈。

 


家族じゃない人たちが、父親の良き面を知っていて、わかりたいけども嫌いだからわかりたくもない気持ちが、葬式のシーンの醍醐味だったんだろう。

 


家族って離れ離れになっても、何かの糸で繋がっているから、ふとした瞬間に思い出すんじゃないかなと。憎かろうが嫌われようが、縁を切ろうとしても切れないのが家族。

 


前半と後半のギャップが素晴らしいんです、この映画。後半30分のお葬式のシーン、笑える演出は役者が大きい。佐藤二朗がほぼ話している。渋谷アップリンクには10人くらいのお客さんがいて、だれも声出していなかったので、笑いをこらえるので必死だった。

 


父がいなかった13年の時間が蘇ってくる葬式。父と子が離れて過ごした時間は、たとえ一緒に暮らしてなくても、共に生きているという証。

 


あと一番印象に残るのは、父のタバコをが元婚約者である洋子が吸って、亡き人のことを想うラストシーンは、かんがいぶかいというか、哀愁漂っていた。

 


家族にはいろんな形があるもんだなぁ…

家族の風景。