徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】オリエント急行殺人事件

【真実がわかっていく中で、正義とは何か、なぜ人を殺してはいけないのかを考えさせられる。】

アガサ・クリスティの名作ミステリー、
74年にも映画化されている。
ただの謎解きではなく、悲しき真実や殺人を犯した理由が明かされていき、
喪失感があって胸がいたくなった。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」「正義とは何なのか?」という根源的な問いかけを突きつける、深い話だった。
名作で映画やドラマにもなるのもわかる。


原作知っていたため
オチは知っているが俳優たちを堪能できたことと列車の外や中の壮大なスケールが素晴らしかった。

世界的人気の名探偵・ポアロはトルコのイスタンブル〜フランス港町を走る、寝台列車オリエント急行に乗車。
そこで殺人事件が発生。犯人は乗客乗員にいると疑い、真相を明らかにしていく。


とにかく映像が綺麗。
列車が出発するときのターミナル駅は旅に出る楽しみが伝わってきたり、列車が走っている時に映し出される
光景がとにかく綺麗。CGで創られていると思うんだけれども、もうとにかくすごい。
古き良き時代の優雅な鉄道の旅の様子や、美しい光景が見られて旅行体験を味わえるのが一つの醍醐味。

ポアロが列車に乗り、通路を歩いて行くシーンを
窓の外から撮影。5両とか6両とかそれくらいの長さだと思うがポアロがまっすぐ歩いて行く姿がカッコよくて。
列車内を真上から撮影していたり、列車の屋根の上を歩いたりなんて大胆なところは躍動感がある。

主人公の探偵ポアロのお髭と卵の形と大きさにこだわる几帳面な性格。
本来は身長が163cmだけどもこれ以外覗けばスクリーンで再現出来ていてよかった。

原作読んでいないのであれば、最後は衝撃というのか、
事件の裏に隠された真実に悲しい気持ちになるのではないか。

オリエント急行列車に乗る前に、
「この世の中には善と悪しかない、その間はない」と語るポアロの言葉が物語の肝であることがわかる。

諸々語りたいがネタバレになっていまうため、ストーリーに関してはここまで。

イムリミットが迫るなかポアロの身にも危険が起きるところは、原作読んでいても切迫する音と映像で焦燥感に駆られる。


トルコとフランス間を結ぶオリエント急行は、1833年から運行していた。
トルコのシルケジにあるシルケジ駅はトルコの国鉄ターミナル駅で、
74年版のロケ地に使われていたとか。

74年の作品も年末に観てみよう。