徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】『あなたの旅立ち、綴ります』はハートフルコメディ。

【全力で生きた人の人生は、一緒に生きてきた人の記憶に残り続ける】

人生で遅すぎることはない、いつだって挑戦できると勇気を貰える。可能性がある限り、なんでも挑戦してみるものだと思う。

 

行動することで、周囲の目が変わり、自分が見ている景色が変わり、周りの人の人生をも変えている…のかもしれない。自己中だったハリエットが変わり、訃報ライターのアンの人生を変えたように。

死がテーマにもなっていると思うんだけど、こんなにも明るくて楽しくてユーモアがある。生きることを前向きに考えさせてくれる映画だった。

 

あらすじでいうと、妥協をしない81歳のハリエットは新聞の訃報記事を読んで、自分の記事を用意しておこうと思い、訃報ライターに取材を依頼する。強引に任された訃報ライターのアンは、ハリエットの家族や友人、周囲の人を取材するが、いい記事が書けないと頭を悩ます。その理由は、いい評判が一つもないハリエットがクソババァであったから。自分を変えることを決意したハリエットは、愛され、尊敬される人物になるようアンと共に行動に移していく。

 

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キャリアも性格も年齢も違う2人の人間性が魅力的

 妥協せず、自分の思い通りに事を進めてしまうからハリエットが嫌われる理由がよくわかる。周囲の人にどう見られたいのかを意識するだけで、人間って変わっていけるものだと思った。

気付かされたのではないか。自己中ながらも長所を伝える上手さと周囲を巻き込むパワフルさが兼ね備えているハリエットは、81歳でラジオDJに。彼女の姿を目にしたアンは、自分も変わっていかなきゃいけないと心の中で感じていたのではないだろうか。

ハリエットと共に行動し、失礼な言葉に苛立ちを感じながらも、アン自身も気付かずに、新しい人生のページを”綴り”始めていたんじゃないかと思った。

 

多彩な音楽

一人暮らしをしているアンの生活の一部にはラジオがある。帰宅するとラジオを付ける。ポップな音楽が流れる。映画の中でラジオが出てくるのがすごく新鮮。

ラジオDJになったハリエットは、意外にも音楽に詳しくロックからヒップホップ、そしてR&Bなどのあらゆるジャンルの音楽を気分やシーンに合わせて曲が流れるから観ていて楽しくなる。

 

自分の可能性に気づかせてくれる

まわりに流されずに”自分”を貫いてきたハリエットがアンに伝えたメッセージが忘れられない。

いい一日を送らずに、本物の一日を送ること

自分に正直に生きるのよ 

 

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”いい”一日とはなんだろうかと観終わって少し考えてみた。

この物語からだと、なりたい自分になるために今日一日悔いなく生きたか...をハリエットはアンに伝えたかったことではないかのか。

周囲からいい人に思われたいハリエットと自分の殻を破りたいアン。目指す像は違うけれども、一度きりしかない人生だから、やりたいこと、理想の自分を目指していくために一日一日を大事にしていくこと。

完璧にこなしてきたハリエットは、失敗を恐れるアンに、たくさん失敗すればいいじゃないと伝える。初めはハリエットの言葉なんを受け入れてなかったアンはいつしか素直になっていて、2人で楽しそうに笑っている様子はまるで親子のようだった。人生経験を積み重ねた年配の言葉は重みがあるものだ。

 

 *

 

人生の終盤を迎える自己中ババアと、これから人生を謳歌していく若き訃報ライターの時間が重なって、”今”を生きる表情が輝いていた。人生はいつだって”綴り”直すことができる。未来への希望、自分への勇気を与えてくれる映画。f:id:chihalun_lun:20180303081031j:image

泉ピン子さんは自分史作りを始めたそうだ。

自分を知るためにも生きた証を残すためにも、これからも日々の記録をノートに綴り続けていこう📖