徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

この世界にアイは存在しません。西加奈子さんの「I」を読んで。

普段まったく読書レビューは書かないけれど、
西加奈子さんの「アイ(i)」を読んで世界観がすごくて余韻に浸っている時間が長かったので感想を簡単に書きたいと思う。

「この世界にアイは存在しません。」
愛と自分の「I」を意味している物語。

 

災害、テロ、事故、不妊治療、セクシュアリティ、同性愛のテーマがあって
人が思わぬところでこの世から去ってしまう命の儚さや
一人ひとり違っている価値観や多様性大切さがぎゅっと詰まっていた。

普通に生活をしている人たちがむテロや事件に巻き込まれる無情、残酷さ、
犠牲になった人々や周囲の苦しさや悲しさ、
人間が生きている間一生かけて考えなければならない課題がアイのフィルターを通じて描かれていて、
世界で起きている紛争やテロ、災害がおきている現実を頭に思い浮かべながら読んでいた。

まさかこんな悲劇に巻き込まれるだろうと思ってなかった人と
明日もまた当たり前の1日がやってくると思っている自分との違いって、生きるって何?と頭の中でずっと問いかけいた。

いつ自分が災害やテロ、事件に巻き込まれるかはわからない。
自分は「今、生かされている」ということを意識して生きなければならないと思った。

終盤にかけて息するのを忘れるてしまうほど、胸が熱くなるくらい熱中した。

中村文則さんによる帯コメント


読み終わったあとも、ずっと感動に浸っていました

の一言に共感。

読む前と後では見ている光景・世界が少し変わって見える、そうだれもが思う作品であろう。

読み終えたあとのこの感情を上手くまとめられないけれど
生きていることが奇跡。

私、ナカムラチハルは今東京で生きています。