徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】南瓜とマヨネーズ

【都内にいそうな男女の生活を覗き見している感じ】
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監督:冨永昌敬
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:93分
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初、武蔵野館@新宿で鑑賞。いや〜ここの映画館よい!
映画館で言うと、恵比寿ガーデンプレイスシネマが1番好きなんだけど、
喧騒の街にあると思わせない落ち着いた空間。

臼田あさ美、太賀、オダギリジョーが出演、演技が自然で、こういう人たち日常にいるいると思いながら観ていた。
バンドで食っていこうとするせいいち(太賀)、せいいちを支えようとして夜の仕事を入れるツチダ(臼田あさ美)、ツチダの元カレのハギオ(オダギリジョー)。
みなダメ人間で、それぞれに見ていて苛立たしくなることがあるくらい、演技がうまい。


仕事もせずに自分が創りだす音楽一本でやっていくといいながら毎日ダラダラ過ごすせいいちを支えるツチダ。
2人分の生活費を稼ぐために、キャバクラの仕事をし始める。お金をかせぐためにキャバクラの客と愛人関係になったことを知ったせいいちは、心機一転バイトをし始める。すれ違いの時間が多くなったときに、元カレのハギオに再会する。
ツチダの心はハギオに揺らぎつつも、自分を大切にしてくれる人はどっちなのか、自分の本当の居場所はどこなのかを考え始める。


誰のために必要とされて社会の中で生きていくのか、ツチダの行動を通してわかりやすく描かれている。

せいいちの音楽を愛しているから、好きだから、貢げるツチダをちょっと尊敬する。
私にはせいいちみたいな男支えられない。
働かないと別れるというだろう。

「なんのために生きているのか、私は何者なのか。」と
ツチダが自問自答するシーンがあるんだけど、
せいいちの音楽活動を支えることが自分の居場所だと分かっているから
支えられているんだなと。
せいいちの音楽を言い訳にして、自分の居場所を探していたんだと思った。


南瓜とマヨネーズのタイトルの意味が良くわからないけど、
あぁ多分こういうことかな...といったふわっとした感覚では納得しているかもしれない。

ツチダとせいいちの距離、
ツチダとハギオの距離をかぼちゃとマヨネーズにおいて、
関係性を表しているのかな…と思い浮かぶ。

ダメ男の元カレを忘れずにいるツチダ、
夢だけ語り何もしないせいいち、
都合のいい女をキープするハギオ、
登場人物3人のだれかに感情移入できると思う。


てか、これ90年代の恋愛漫画のバイブルが実写化になったんだ。
知らずに鑑賞。


オダギリジョーに会ったら「ハギオ!!」って言っちゃいそう。
平凡な日常に3人の感情が溢れていた。

古き良き日本!こんな時代にタイムスリップしてもよさそうだよね。ALWAYS3丁目の夕日を観て思うこと。

先週の金曜ロードショーで「ALWAYS3丁目の夕日’64」が放送されていて、
録画して翌日観てしまった。
作家の茶川さんと息子のように一緒に暮らす淳之介の親子の愛情、青森から集団就職でやってきた女学生の六子が成長し恋をして結婚、街中が人情に溢れているところに物語があって何度観ても涙してしまう。

ALWAYS 三丁目の夕日」「族・ALWAYS 三丁目の夕日」「ALWAYS3丁目の夕日’64」といった3部作になっている。

昭和33年・オリンピック前の日本。
東京下町の夕日がよく見える三丁目に住む車修理屋の鈴木家に、集団就職のために上京してきた六子(堀北真紀)が住み込むことになる。また鈴木家の向かいにある駄菓子屋の茶川(吉岡秀隆)も、見ず知らずの少年に出会い面倒をみていく、家族の触れ合いを描いた心温まる人情ドラマ。

3丁目で暮らしている人々は活気に満ちあふれて、生き生きとしていて輝かしい。
特に3作目の’64は高度経済成長期でオリンピックが開催されていて、日本を誇りに思っていることが伝わる。
茶川さんが家から飛び出して上空を見上げると、飛行機雲で描かれた五輪のマーク。
当時の人々がオリンピックを楽しみにしている感覚に触れた気がした。

車修理屋の鈴木一家、純粋で素直なロクちゃん(六子)、芥川賞の夢を目指す茶川さん、タバコ屋の店主、町医者...
3丁目の人々は近所付き合いがうまいというのか、仲がよいというのか、人情溢れている。
洗濯機、炊飯器、掃除機などの家電製品がない生活、なんて不便なんだ!と思うかもしれない。
だけど、無いなりの楽しさや面白さがあるんだろう。
お遊びは、けん玉、駒、紙飛行機で無邪気に楽しんでいる姿に
懐かしく思えた。小学校の頃にちょっとだけけん玉と駒に触れたなと。



昭和のごく普通の家庭の暮らしを覗き見ている感覚。
特に、鈴木家にテレビがやってきて、近所の人たちが駆けつけて団欒となってテレビに釘付けになるシーンは
一緒になって溶け込んだ高揚感がある。

この映画の醍醐味、涙が自然と出てしまうのが、
1作目の「三丁目の夕日」の茶川さんと淳之介が家族になるシーン。
淳之介にわざと冷たくあたり、実父が車で迎えに来て、茶川家を去る淳之介。
淳之介の手紙を読んで、短い間だけども共に生活した時間を思い出し、淳之介の想いに触れ、感情が爆発。
家を飛び出し、淳之介を乗せた車を追いかけると、淳之介の姿が。
「あっち(実父)の元へいけよ、金持ちなんだから幸せだ。」と言い放つ。

淳之介は茶川にすがりつきらら涙ながらに首を振ってすがりつこうとする。
最後は淳之介の想いを受け入れて2人で帰る。

茶川の言葉と気持ちが裏腹で、観ているこちら側の感情がコントロールできず涙だけが溢れる。
小さいながらも淳之介を演じた須賀健太くんの迫真の演技に圧巻。
2人の気持ちが重なった瞬間は感動もの。


音楽良し、キャスト良し、脚本良し。
監督はVFXで有名、代表作「永遠の0」を手掛けた山崎貴さん。
また、脚本はテレビドラマ、映画のヒット作品を生み出す古沢良太さん。「リーガルハイ」「相棒」「キサラギ」現在公開中の「ミックス。」そして今週金曜から公開の「探偵はBARにいる」シリーズ。

山崎貴さんが監督する新作品「DESTINY 鎌倉ものがたり
kamakura-movie.jp

12月9日に公開。三丁目とは違ったファンタジーの世界を演出している。
妖怪の国を映し出す綺麗なCGに注目したい。


先週末に見えた夕焼けが綺麗で、
あの時代の三丁目からみた夕焼けはどんなものだろうか…と思ってたり。


ネットもテレビも電化製品もない生活、1日くらい送ってみてもよいかな。

#好きな映画を雑に説明する

11月27日Twitter
「#好きな映画を雑に説明する」がトレンド入りしていて
ユーザーのコメントを見ていて楽しかったので何作品か雑に説明してみたい。


①年末のホテルでてんやわんや

②おっさん2人の職業訓練

③ツッコミとボケ

④教習所の夏恋物語

⑤イケメンザックエフロンの17歳の頃

1920年のパリへタイムスリップ

⑦黄色いヘルメットをかぶった宇宙人

⑧クマの物語

⑨3人の老人の強盗

⑩セックス・ドラッグ・ロック・アルコール=おバカ


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①THE有頂天ホテル
三谷幸喜さんの作品。年末のホテルで繰り広げられるドタバタコメディ。
そろそろ観たくなる時期になりましたね。

インターンシップ
オーウェン・ウィルソンヴィンス・ヴォーンが出演。30歳の2人がGoogleインターンシップに応募。
グーグル社すごいな〜、見学しにいきたくなる。コミカルな演技と内容に笑える。

③セトウツミ
漫画原作を映画化にした映画。
菅田将暉池松壮亮が主演。トークだけで90分繰り広げられる。
今深夜でドラマで放送中。

森山中教習所
夏に観たくなるんだよ〜
マイペースな大学生と高校中退のヤクザがひょんなところから出会い、教習所で描かれる恋物語
野村周平くんが演じるちょっとお馬鹿な役にクスッとする。恋人役の岸井ゆきのちゃんの純粋さがかわいくて。

セブンティーン・アゲイン
ザック・エフロンが17歳に戻って後悔したことをやり直すって話だったけな。
自分が17歳に戻れるんだったら何するかな。
17歳はニュージーランドに留学してたや。好きな人に想いをちゃんと言って、帰国したかったな。

ミッドナイト・イン・パリ
ウッディ・アレンの作品。
パリの街並みが綺麗で。
大学の頃に観て、パリの街並みに感動した。個人的にオーウェン・ウィルソンが好きで。
ここからウッディ・アレンの作品が好きになったかな。ワインが飲みたくなる。

⑦PK
インド映画ね。3時間もの。
ブログにも紹介しているけど、宗教、人間、強さとは何?を問いかけてくれる。
笑えて泣けて考えさせてくれるから評価高い。

パディントン
吹き替えは松坂桃李くん。
2018年1月に2作目が公開ですね。
paddington-movie.jp
家族連れでぜひ。

⑨ジーサンズ
ついこの前みた。
キャストが豪華。ただ強盗するんじゃなくて、意味があって心温まる。

ハングオーバー シリーズ
あ〜これはもう嫌なことがあったときみ観たら、吹っ切れる。
だれかが記憶を無くして、問題に巻き込まれる。
2とか撮影のためにスチュを演じたエド・ヘルムズは歯を抜いて撮影していたはず。


=====
ざっくりと説明。
「#好きな映画を雑に説明する」
簡単にタイトルを言い換えただけだ笑

【映画】ステキな金縛り

三谷幸喜さんの作品の中では、1番笑ったかも。】

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日本のウッディ・アレンと思っている。
頭空っぽにして楽しめる作品。
深津絵里さんが演じる初々しい弁護士の役がかわいい。
阿部寛のタップダンス笑える。
西田敏行さんの役あるからコミカルさが出ている気がする。
深津絵里さんのお父さん役で草なぎ剛に、笑いが。

 

 

三谷幸喜の作品

ギャラクシー街道

・THE有頂天ホテル

犬神家の一族

をパッ思い出す。

年末までもう少し。

有頂天ホテルはオススメかも。

年末、ホテルで次から次へとストーリーが繰り返されるドタバタコメディ。話も明快で後半はスカッとする。これまたキャストが豪華。

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辛かったこと大変だったことを振り返り、スカッと気分を上げてくれる作品で年内締めて見てはいかがでしょう!

【映画】サバイバルファミリー

【電気が使えない生活を超えて見えてくる家族愛】★★★☆☆
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監督:矢口史靖
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:117分
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実際に電気が使えなくなったらた困るどころじゃないなと思いながら見ていた。
1日2日くらいいだったら、電気がなくても乗り越えられるとは思うけど、
本作品ではすんなスパンじゃないから、必死で生きていく大変さが伝わってきた。

サラリーマンである父、簡単な料理ですませている(であろう)母、大学生の息子、スマホ依存の女子高生の東京で暮らす4人家族の生活が、電気が使えないことで大きく変化。西日本では電気が使えるとのことで、母の実家である鹿児島に自転車で行くことに。


急に電気が使えなくなったとしたら、
電気の代わりになるロウソクやライト、家にちゃんと置いてあるだろうか。
観始めるとツッコみたくなるところはあるんだけども、置いておいて。矢口監督だからコミカルに描かれているから
笑えて楽しめる。(スウィングガールズウォーターボーイズの監督)
エレベーターが使えない、電車も動かない、洗濯は回せない、連絡手段がない、白いご飯は炊飯器を使わない炊き方、
スーパーのレジも使えず電卓計算...

今の快適な生活からしてみると、もう原始人生活にしかみえない。

街の明かりが無いからこそ見える夜空の星の綺麗さには感動した。
東日本大震災のときも街中の電気を節電していたころは、渋谷の空にも綺麗と感じられたのかな。


震災
でおきたサバイバルな状況では、物の価値が大きく変わる。
生きていく上では、食べ物と水が必要で、
人間の欲というのがわかりやすく描かれている。
お金と水では交換してくれないのが現実なんだと

サバイバルな環境から田舎のおじちゃんに助けられ
用意された食事に涙を流して食事するシーンに感動する。
いつでも食べ物があることの感謝、忘れていた。

最終的には元の生活に復帰はできるようになり、
家族の変化があることが大きかったかと思う。
母は料理が家庭的になって、
父は自転車通学で会社に...と
矢口監督らしい登場人物の変化にも注目できる。

サバイバル生活に出てくる、豚のスペアリブが美味しそうなの。
女子高生を演じた女の子は、あれ?と思ったら葵わかなちゃんだった。
NHK朝ドラのわろてんかの主人公。
このギャルっぽい役もはまってるなぁ。

家族で観たら、震災や災害の準備に向けて家族会議をしたくなるだろう。

ある程度の現金は持っておくこと、バッテリーの予備は満タンにして保管、電池は用意しておく、
自転車は1台もっておこう!

【映画】ブレードランナー2024

SF映画の金字塔、近未来都市はもうすぐそこかもしれない。】★★★★☆


1作目が公開されたのは私が生まれた1992年。
それから25年たった今、
前作から30年後の世界を描いた続編になっている。

1作目の記憶が薄れている状態で鑑賞。
1を復習していたらもっと楽しめたのかなと思ったけど素晴らしい作品だった。


舞台は2049年のカリフォルニア。ライアン・ゴズリングが演じる“ブレードランナ ー”のK(※人間社会に紛れ込んでいる、労働用の人造人間“レプリカント”を処分する役目の捜査官)。Kは重要な秘密にたどり着き、1作目で主演を務めたデッカードハリソン・フォード)の行方を追う。

1作目では、デッカードの恋人レプリカントの秘書レイチェルとの逃亡で話は終わったが、本作ではその2人の行方がどうなったのかも描かれている。

日本をはじめアジア文化が取り入れられている未来都市の実現のすごさ。
1作目でも日本の看板や広告がフィーチャーされている。
監督のリドリー・スコットが来日したときに訪れた新宿・歌舞伎町の街並みが忘れられず、
近未来の街を描いたのだとか。


環境は破壊され、貧困と病気が繁茂し、テクノロジーは発展し続け、荒廃した街並みや技術が発展して空飛ぶ車やビル並の電子広告をみて、何十年後、何百年後にはこの世界が実現しているのか...と思うと少し怖くなった。
描かれる近未来の街並みにでは、SONYの看板が目につく。笑
広大な砂漠に雪原、スモッグに覆われた町、謎めいた世界はとにかく綺麗だった。

今回、六本木のIMAXで鑑賞。
ざわつくノイズ、キーンと響く高い音や効果音、
心臓にまで響き、鑑賞し終わった後も余韻が残っていた。
あとは大スクリーンで観ることが
ブレード・ランナーをより楽しめるところ。
近未来都市や広大な場所を車で飛び回る。
空から地上に落ちていくシーンは、
一つのアトラクションに乗っているような浮遊感を味わえる。

主演にライアン・ゴズリングを抜擢したのは正解だったと思う。
ハマり役。自然な演技と吸い込まれる目と表情。
物語の中で、真実を追求していく中で特別な記憶を思い出し、彼が流す涙を見にもらい泣きしそうになる。

ハリソン・フォードが出てきた瞬間、
心が踊った。歳をとってもかっこいい。

”K”(ライアン・ゴズリング)とホログラフの恋人を演じるた”ジョイ”(アナ・デ・アルマス)が身体をシンクロさせるラブシーンがあるのだが、
編集に1年かかってしまうくらいの労力と時間を使ったそうだ。

また何十年後の舞台設定して映画化されるのだろうか。
3時間...長丁場、集中した。
具現化が難しいが、”人間とは何か”を考えさせれる。

この作品を鑑賞できる時代に生まれてよかった。

【映画】はじまりへの旅

森の中、自給自足で生きる家族。普通ってなんだろう。


色んな映画を観て、”考えさせられた!””いい映画だった””良かったなぁ”と思える作品は沢山あるんだけど、
観終わってああだこうだより、普通ってなんだろう...と真っ先に自分に問いかけた。
こんなに素敵な映画、もっと宣伝すればいいのに!
たしか都内でも一部の映画館でしか上映してなかったはず。。

この映画に出てくる子供達は学校に通うことなく自給自足の生活を送っている。
父・ベンの教育により、アスリート並みの体力と精神力がある子供達は、
今私達が生きている時代で必要となっているITの便利さを知らず、自然に触れ合いながら生きている。
ある日、母レスリーの死をきっかけに、母の願いを叶えるために車で旅に出る。




自然で生活すること、一見楽しそうにみえたのは日常社会に疲れているからかなと思ってしまった。
外の世界を知らず、生きていく術を身に着けている子供たちは、
とてもたくましく見えた。
子どもたちの中には、
学校に通ってないのに有名大学全て合格、
本だけで合衆国憲法の中身を理解、
6ヶ国語喋れてしまっていたり、
父の教え方が上手なんだろうか、学ぶことに対する彼らの向上心が高いのか。

学校にいかなくたって、学校の教科書で習うことは、本や教科書を最低限読めば吸収できる。
しかし、外の世界に出た瞬間、彼らは変わった目で見られる。
周囲との付き合い方、言動、行動。
親が子供に教えることは限界があるんじゃないかと感じた。
人は幼稚園→小学校→中学校→高校・・・と学校に生き、
人との接し方や社会のルールというのを知っていく。
規則というものを教えても、
集団の中で行動をして、分かっていくものだと。

”普通”ってなんだろう。
幸せの定義とはなんだろう。

学校を卒業して、会社に就職して、家を買って、子供を産んで、たまには旅行に行って...
とか敷かれた線路に沿うことが普通なのかもしれない。

生きてきた環境、感じ方、親の教育で、人それぞれが思う”普通”は違うんだなと感じた。

普遍的なテーマが詰まっていて、思ったことを伝えるのが難しいんだけど
家族の愛に溢れた映画。
一見の価値あり。