徒然日記

映画や小説の感想を紹介しながら、旅先や街歩きの情報も掲載。

9月の映画まとめ

『フェアウェル』
ガンを患う祖母に病気のことを悟られぬよう優しい嘘をつき、家族・親族大集合した日々を描く。家族や価値観・文化の違いを題材に扱うハートフルドラマ。
監督の事実に基づいた内容らしい。
中国の文化では、癌を患った人には癌であることを告知せずに伝えないという文化があるらしい。死との向き合い方や価値観はそれぞれで何が正しいかはわからないけれど、
自分にはちゃんと癌であることは伝えて欲しいなと思った。
知らない方が幸せなこともあるんだろうなとは思ったけれど、
病気だと知らず出席する幸せな結婚式の中で、変わらぬ笑顔を見せる祖母、
作り笑いをするビリーが辛い。
最後の最後が泣ける、エモーショナルな映画。半分は中国語なんだけど、
全く違和感なく映画に没入できる。
本作の主人公がオークワフィナ(オーシャンズ11やクレイジーリッチ出演)でコミカルな役柄が多いんだけど、それを封じ込めてシリアスな役柄が良かった。
この映画を見て、私は実家の祖母に会いたくなりました。私も幼い頃によく可愛がってくれたな…そんな記憶が映画館出た後に脳裏に蘇っってきた。

『浅田家!』
浅田家の次男の政志が家族を巻き込んで
なりたかった職業を撮影し、ユニークな写真で注目あを集めた浅田政志の実話をもとにしたストーリー。
もうすごく良かった。「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督の作品。
中野監督なんでこんなに泣ける映画をつくれるのだろう。
湯を沸かすの時は号泣で、今回はなるべく堪えたけど、後半はすすり泣き。
出ている役者陣がみんないい!!
ロン毛、ヒゲが生えたニノかっこよかったねー。
いろんな視点から家族のあり方を認識した。
他の家族と比較はないし、「普通じゃない家族」て割り切っているところに、
愛を感じる。ユニークな母ちゃん。
今はスマホ内にたくさんの写真が保存されているけど、
手元に残っている写真って温かみがあるものんだなぁとしみじみ。
写真は記録じゃなくて、記憶になって、生きる糧になる。
思い出を残すだけではなく、今を生きる力になるもの、なんだと。
3.11後に行われていた写真洗浄、写真返却の活動は本当に素晴らしいと思った。

『宇宙でいちばんあかるい屋根』
女子高生と老婆(星婆)の出会いが紡ぐお話。
星婆の言うことがグサグサ胸にささる。

デイアンドナイト」に続き、藤井道人監督×清原果耶のタッグ。年々好きになる。
ズカズカと星婆が口にする言葉はとても深い。
ちとファンタジー要素はあるけど夏の終わりにぴったりの良作。今年の邦画No. 1かも(今年そんなに邦画見てないけど。

デイアンドナイト』は野田洋次郎作詞作曲の「気まぐれ雲」を歌っていて、本作はCocco作詞作曲の「今とあの頃の僕ら」
歌もめちゃくちゃ上手い。映画の世界観と透き通る歌声が余韻を残す。涙堪えたけどだめだった。
夏の終わりって感じで、どこか懐かしい匂いを感じた。

『TENET』
すごい!今年の洋画No,1.ノーランすごい凄すぎ!設定は「時間の逆行」。観る前も観た後も「??」で難解…なんだけどちゃんとしたSFエンタメ。
時間の順行と逆行を再現する映像がとにかくすごい。毎回見たことない新映像で刺激をくれるので、満足、ありがとうノーラン。
映画でこんなに集中するのいつぶりだろ?脳パンク状態。革新的。
2回見た。