徒然日記

映画や小説の感想を紹介しながら、旅先や街歩きの情報も掲載。

【映画】ねことじいちゃん

過疎化が進む離島、穏やかな時間が流れ、お年寄りたちがお互いに声をかけあい、寄り添い、助け合いながら生活している姿に、微笑ましくあり羨ましかった。私も後50年後くらいはこんな場所で好きな人と(お互生きていたら)地域の人と手を取り合いながら、丁寧な暮らしをしたいものだ。

f:id:chihalun_lun:20190309002413j:image


動物写真家の岩合光昭さんの初監督作品、春夏秋冬の折々のシーンに猫が必ず出てくる。あぁ、猫も可愛いなぁと素直に思えた。動物は人の心を優しくしてくれる生き物だ。

 


主人公の大吉さんの島暮らしを見て、自分の老後はどうしようなんてちらついたが、頭の中にふと親の今後のことを考えてしまった。大吉さんの息子が母の三回忌に訪ねてきて、「一緒に暮らそうよ。東京でも猫は飼える」の言葉がリアルすぎて、安心を感じつつも寂しさを覚えた。島と猫とそこにいる人々も、大吉さんにとっては家族そのもの。島で過ごす時間がゆっくりで、みんな心があたたかく、助け合う優しさは、都会では味わえないものだと。

 


島の人々の恋模様にもほっこりする。高齢者同士の恋、1年後は離れ離れになる高校生の淡い恋、一目惚れから始まる恋…。微笑ましい限り。

 


そして、猫に癒されるだけじゃない。お腹を空かせてくれる映画でもある。大吉さんの亡き奥さんが残したレシピノートが、イラスト付きで素敵だった。豆ご飯、ちらし寿司、いなり寿司、きのこご飯、カルパッチョ、卵焼き、味噌汁…とても美味しそう。

 

 

 

とくに、土鍋で丁寧に炊きあげた豆ご飯。鍋を取ると、ホカホカ焼きたての白いご飯と緑の豆たちのバランスが綺麗で、スクリーンから香り漂ってくるよう。豆ご飯はあまり好きじゃないんだけど、一度自分で炊いてみようと思う。

書きかけのレシピノートも、人に教わったレシピでびっしりと埋まっていて、薄いノートだけど、島の人の思いや優しさがぎゅっと詰まっていると思うと、これもグッとくる。

 


助け合って生きる。素晴らしい。私も歳を取っても自立してちゃんと自炊して健康でいたい。猫と生きる生活も良さそう。