徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

人生フルーツは最高のデートムービー

先日、人生フルーツを観てきた。名古屋に住む津端修一さんと、奥さん英子さんの暮らしを追ったドキュメンタリー映画。とても良かった、素晴らしかった。夫婦の生活、 生涯を通じて、人生の豊かさとは何かを考えるきっかけになった。

東京にいると数分で動く社会で、精神と体力を消耗したり、お金、仕事、友人関係、趣味など多くの欲に支配されたりして、大切にしたいことが埋もれていて気づかなかったり、見失ってしまうことが多い日々。

生きる上での豊かさとは何かをこのドキュメンタリーの中に詰まっていた。

春日部市ニュータウンの一隅の一軒家で120ものの作物を育てていて、身になった野菜や果物を英子さんが料理する。料理をしているところや食卓のシーンが出てきて、とっても料理が美味しそうなのだ。英子さんの料理を修一さんがほがらかに食べていて、夫婦の仲の良さを感じられてとても心があたたかくなる。英子さんが作った料理は冷凍したりパックに入れて、それをお孫さんに送ったりしているそう。母から仕送りをしてもらうが、やはり母が作った料理が一番美味しい。

「外のものはあまり食べて欲しくない。健康がね。」といったことを英子さんは話していて、母も健康のことを考えてくれているのだろう、と考えながら見ていた。

豊かな暮らし、丁寧な暮らしをしようと聞くけど、豊かな暮らしとは、よく笑いよく食べて、次の世代のことを考えてよく動くということなんだろう。衣食住を充満させる。

 

修一さんは2015年に亡くなってしまい、今は英子さんは一人で作物を育てている。なくなる前に、修一さんが英子さんのことを「最高のガールフレンド」と伝えていて、なんてチャーミングな夫婦なんだ!と。最高のデートムービーですです。

このご夫婦の暮らしは、私が思い描く理想のスローライフ。両親にも観てもらいたい。

あぁ、幸福な映画だった。

人生はコツコツ、ゆっくり、ね。