徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】寝ても覚めても

2018年の邦画ではトップに入る。
ジャンルはラブストーリーで胸がキュンとするんだけど、
途中から、心と背中がゾワゾワするほどスリルがありすぎて
恋愛はホラーなんだと思ってしまった。
心情の変化から町並みの変化も楽しめる。

キャストの関西弁、東京・大阪の町並み、震災が起きて街中が人で溢れかえる東京、tofubeatsさんの主題歌、
終わった後にじーんっと目と耳に残る。3.11をターニングポイントとして描かれているところがポイントだったかと。
原作では、この震災は描かれていないからオリジナルで作った部分であろう。
映し出される空はずっと曇りで、ヒロイン朝子の心情と関係があるのではないかと見ていて考えたり。。主人公の麦(東出昌大)と朝子(唐田えりか)の恋が始まる瞬間とBGMが気持ちよく、鑑賞後の余韻がどこか不思議な感じで胸にじわじわと残る。

あらすじとしては、亮平は、会議後にコーヒーを受け取りにくる朝子に出会い、恋に落ちる。亮平の真っ直ぐなところに、とまどいながらも恋に落ちる朝子。二人は仲を深めていくが、朝子には亮平に言えない秘密があった。朝子が大阪に住んでいた時、運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に顔がそっくりだったということ。違う名前、違うぬくもり、だけど同じ顔。朝子と麦、亮平の恋愛模様を描いた作品。

まず主役の東出くんの一人二役の怪演ぷり。麦(ばく)が朝子のところにやってくるシーンは、ドラマ『あなたのことはそれほど(TBS)』の束縛男を思い出すかのようだ。
人柄のよい亮平役も演じ、キャラクターの切り替えスイッチがすごいと思える。朝子役には新人女優の唐田えりかさん。ほっそりした長い手足、白い肌、透明感、顔にはでない感情の表現が目に焼き付けられる。
麦と一緒にいれる、それだけでいいと思える朝子は”恋する乙女”感、
亮平は実は麦なんじゃないかと疑いながらも亮平と距離を縮めて好きになるところに惹きつけられる。

主演の東出くんと唐田さんを固める、俳優陣たち、瀬戸康史山下リオ伊藤沙莉渡辺大知と実力派俳優さんが素晴らしい!山下リオちゃんはいつの間にかおとなになっていた。
伊藤沙莉ちゃんのおせっかい役もぴったりに合っていた。


期待を裏切られたなと思ったところは、亮平と朝子の前に麦が現れて、朝子と麦は二人で車にのって北海道まで向かうシーン。窓から携帯を投げ捨てるシーンは、”やっぱり麦じゃないといけない” ”麦と一緒にいきていくんだ”と朝子の決断の気持ち何だと思う。
この朝子の行動を理解できないといったコメントもあって、私はこれはこれで良かったと思う。
”この瞬間、麦と一緒にいたい”という朝子の初期の恋心がまた芽生えた瞬間を見れた気がする。

違う名前だけど似ている顔、人は人の何に惹かれるのだろうか…。
人は顔から入って好きになるって思うんだけど、
最終的にはその人の人柄や優しさや温かさなんだろうなと思った。


情緒的でポエムっぽい映画。
主題歌のtofubeats「RIVER」音楽がものすごく気持ちがいい!
予告動画で映像見て、音楽がなりだした途端に「これは絶対見たい!」と思わせられた。


映画『寝ても覚めても』90秒予告


麦との爆発的な出会いから生まれる爆発的な恋と亮平と必然的な出会いで始まる穏やかな愛。
「RIVER」を聴くと、あのシーンの川の流れを思い出してしまう。
映画は人それぞれの感性があって面白いとか好きとかが分かれるんだと思うけど、
邦画としては友人や知り合い、家族におすすめしたい作品。
今までにない恋愛映画、しばらくいや観終わって1週間
頭の中をずっとぐるぐるしていました。

原作現在読み進めてます。