徒然日記

映画や小説の感想を紹介しながら、旅先や街歩きの情報も掲載。

【映画】『ちはやふる』は青春映画の金字塔になると思った。

上の句・下の句・結びの3部作。
青春をかるたにかけた高校生の物語。
本作はじめてスクリーンでみました。
弾かれる札が、スクリーンを超えて飛んでくるんじゃないかと思わせる迫力と音に
心臓やられました。おそるべしかるた競技。

高校生にしか味わえない時間を、タイムスリップして味わった気分になる。
高校の時に、仲間と汗をかいて涙して何かに熱中して取り組んだ時間って、
大人になっても心の中に残り続けるんだろうな…人生の糧になるというのか。
とある高校が負けて引退、先生がアドバイスしているシーン見て思った。

30巻以上続く原作を3部作にしてた内容、見事なキャスティング、景色、場所、映像の彩り、
エンディングとすべてが綺麗にまとまっていた。
きっと世代の人がみても、何かに熱中したことを思い出す瞬間があると思う。
上の句下の句は金曜ロードショーで放送して観た。
はっきり言うと、結びもテレビ上映されたら観ようかと思っていたくらいだったが、
上の句で観入ってしまい、部活にかける熱さと青春に心が浄化され、
下の句では、主人公、千早(広瀬すず)と太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)はどのようにして再会し戦うのかが気になって観た。
高校3年間をかるたにかけた青春物語、目頭あつくなるよ。
Filmarks の映画レビューが好評で、自分が観てきた実写少女コミック作品と比べても、かなり完成度が高いんじゃないかしら。原作は10巻くらいまで読んでいる。



結び=卒業
2016年に上の句と下の句が上映され、その2年後、結びで完結。
主人公たちがかるたに3年をつぎ込み、それぞれの未来に向っていく。
ときの流れを描いて卒業までもっていくところが良かった。
上の句下の句を高校1年生の子たちは、千早たちと同じタイミングで卒業を迎える。
一緒に”卒業”するタイミングを狙っていたかのよう。

ちはやふると一緒に高校3年間を送れてよかった」というツイートを見かけた。

千早と同い年の高校生たちも、この映画と一緒に成長して、結びで卒業を迎える。卒業する感じの寂しさを感じるんじゃないのかな。
何かに打ち込んでいる、壁にぶつかっている、進路で迷っている中高生、
ただのキラキラ青春物語と思っているかもしれないが、
賞賛している部分があるからこそ観て欲しい。
自分が中高生でみたら、こんな高校生活送りたいとか、
こういう風にすごしたいと妄想してそう。


見事なキャスティング

結び からは、以下のキャストが登場。

さらに続編より登場する新キャスト4名が明らかに。太一に一目惚れをして競技かるた部に入部する新入生・花野菫役を「暗殺教室」シリーズの優希美青、同じく競技かるた部に入部する新入生・筑波秋博役を5人組ダンスボーカルユニット・M!LKの佐野勇斗が務める。映画オリジナルキャラクターであり、千早のライバルとなる現役準クイーン・我妻伊織役には「3月のライオン」の清原果耶、史上最強の名人・周防久志役には「森山中教習所」の賀来賢人が起用された。
清原果耶ちゃんと賀来賢人

改めてともうのが脇役の存在感が作品をより面白くしている。
西田(あだ名;肉まんくん)を矢本悠馬くん
駒の(あだ名;机くん)を森永悠希くん
大江奏を紙白石萌音ちゃんは、
前作から参加。

木梨浩を演じる坂口涼太郎くん、原作とそのままだった。

準クイーンを演じた清原果耶ちゃんと真剣佑のやりとりには、劇場では笑いが起きる。
清原果耶ちゃんは去年上映された3月のライオンでも演じていて、真逆のキャラを演じていて、ちょっとキリっとしたキャラもいいと思った。
そして周防久志を演じた賀来賢人くん。
東京大学4年連続で留年して、寡黙なキャラでありながらも、
大好きな和菓子を配ったりするところは福田雄一監督の作品「スーパーサラリーマン」「斉木楠雄の災難」でおもしろ&抜けキャラのユニークさを思い出す。。マイクを通しても声が小さいところ笑いました。袴姿が1番似合ってる。


1000年先へと語り継がれるかるたと一瞬の光

かるたのすごいところ、
季節、自然、人の恋心など昔の人が詠った31文字が、
1000年という時を超えて現代に語り継がれる。
逢いたくて逢いたくて震えてしまう、
歌で表現された恋の気持ち、好きな人に会いたいという想いは、
今も昔も変わらないんだろうな。

映画の中で描かれる
”一瞬を永遠にする”

私達たちは一瞬を永遠にとどめる力をもっている

周防久志(賀来賢人)が言った言葉。
時の流れは逆らえないけれど、
友人と過ごした時間、全力を尽くした3年間というかけがえのない時間。

一瞬の光は、結果がどうであれ、
1年後、10年後、100年後と心のなかで輝き続け永遠の財産になる。そして1000年先、無限に...語り継がれるのかもしれない。

過ぎ去ったあの輝かしい青春は二度と経験することはないなぁと寂しさを感じながら観ていた。
学生のころに抱いていた無限の可能性は、歳をとり人生の階段を登っていくことで有限になってしまったなと。大人世代には、過去を振り返り青春を思い出したり、青春の刹那さ、終わりがある儚さなど何かが響くと思う。




さて、3年かけて完結したちはやふる
個人的には、”繋がり”というのが1つのテーマになっているのではないかなと。
千早(広瀬すず)と太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)の幼馴染でばらばらになってしまったけど、千早の一声で太一とかるた部を作り、仲間が集まり、太一と全国大会で出会い、念願の勝負へ。

後輩ができ、千早たちが与えられる側から与える側になり、かるた部を残していく。
高校最後の夏、汗と涙を共にした仲間たちと強い絆で結ばれた千早たちは、それぞれの道へ向っていく。

またキャスト陣の繋がり。

この役を演じることで、みんなと本当の仲間になれたことが何よりも嬉しい。この仲間は家族のよう。

広瀬すずちゃんが言う。
3年間一緒に成長してきた仲間との縁は、役を演じた役者たちにも繋がりを感じられるものがあったと思う。

最後はPerfumeが主題歌を飾った「Flash」と「無限未来」

まるで実写化が決まったときから、主題歌の意味も用意されていたようで、ちゃんと作品に光をあてている。

高校1年生の千早たちが全国大会へ向けて必死になる輝かしい一瞬は、無限に輝き続ける。

青春映画の金字塔として、1000年先に語り継がれますように。