徒然日記

ふと感じた四季折々のこと、本のこと、街のこと

【映画】希望のかなた

新年劇場1作目。
ドイツとフィンランドで製作された映画「希望のかなた
1発目にいい映画を観れて良かった@ユーロスペース渋谷
アキ・カウリスマキ監督すばらしい。
ル・アーヴルの靴みがき」以来だった、彼の作品を観たの。

内戦が続くシリアを逃れてきた青年のリカードは、途中で見失った妹を探しにフィンランドにたどり着く。
難民危機に遭い難民許可は却下され、差別や暴力にさらされる中で、
たまたまレストランを経営するビクストロムに逢い、彼の元で働くことになる。
ビクストロムもリカード同様に行き詰った人生をやり直そうとしていた。
人生の希望のひかりが指す瞬間が上手い具合いに描かれていて、
とてもあたたかい作品だった。

物語は淡々としていて
リカードとビクストロムの話がカットバックしながら進んでいく。
おそらくどこかのタイミングで2人は出会うんだろうなと思いながら観ていた。

シリアから逃げてきたリカードの部分でみると
難民問題、内戦など日本ではそんなに触れないテーマをわかりやすく描いている。
逃げてきた人間をなんでまた危険な場所だと分かりきってるのに帰還させてしまうんだろうなぁ。。。
シリア内戦による難民問題は、今も起こっている問題であって、
カーリドのように他国に逃げてきた人はたくさんいるこの現実が
普段こういった問題に触れない自分にとってはすごく身近な問題に感じた2時間だった。
難民問題の現実が少しでもわかるんじゃないかな。


ずっと重たい感じではなくて、ちょっとしたコメディ要素もあって
人と人が接することで生まれる「優しさ」「助け合い」「思いやり」があって
心があたたかくなる。

ビクストロムが経営するレストランのシーンはユーモア溢れていた。
レストランをリニューアルして日本料理にするんだけど、
これがドタバタの接客と日本料理だったのが印象に残る。
寿司や酒、手ぬぐいといった日本を象徴するアイテムから、接客まで日本文化を取り入れていた。

音楽の取り入れ方、話のテンポ、問題の取り入れ方が良かったなぁ〜
そして登場する犬がかわいい!

「希望」というのは周囲の人達の優しさや温かさ、助けといった積み重ねがあるから見えてくるものだと感じた。

難民問題の現実や残酷さといったちょっと重たいテーマの中に、
人の優しさや温かさの要素が詰まっていた98分間。