徒然日記

映画や小説の感想を紹介しながら、旅先や街歩きの情報も掲載。

2月の本

「たった一通の手紙が、人生を変える」 水野敬也
朝井リョウさんがつんくさんに送ったファンレターの内容が素晴らしいことを
何かで知って読んだ。
ファンレターって”自分を知ってほしい”ために、
ファンに手紙を書いちゃうけど、
そうじゃなくて、
その人や作品が自分にどう影響を与えたのかを具体的に書くところが大切。


「新しい文章力の教室」唐木元
若手編集者が対談しているサイトで、この本はバイブルと言っていた。
木暮太一さんの「文章力のつくり方」にも書かれている基本的なことから、
長い文章の書き方、まとめ方が整理されている。
単語の削り方や必要ないWordはなるべく削ることを心がけようと思う。

「職業としての編集者」 片山一行
ざっと読んだのでもう一回読みたい。
売れる本の作り方〜企画の仕方など、40年間編集のプロとして生きてきた
片山さんの視点で書かれている。
編集もマーケテイングセンスが問われる。

【映画】グレイテスト・ショーマン は、人間の欲を上手く描いたミュージカル映画

ララランドのスタッフが手がけるミュージカル映画
一言…素晴らしい!!
曲が終わるごとに席を立って拍手したくなるくらい良かった。
オープニングからしびれる、鳥肌がたった。
ストーリー自体はシンプルだけども、胸が踊る音楽と美しい映像、テンポのよい演出が上手く合わさって
スクリーンに吸い込まれる。

音楽とダンスのキレッキレさとパワフルさ。
観終わった後は、音楽を聞いてスキップしたくなるような感覚になる。
ヒュー・ジャックマン、歌も歌えてダンスもできる才能に驚き。
ザック・エフロンを見ると
ハイスクール・ミュージカルを思い出した。
あの頃とは違って、大人になったザックのかっこよさに釘付けになる。
特にヒュー・ジャックマンとザックがBARで歌うシーンがお気に入り。

次なる成功を求め続けるバーナムの行動や感情から、
人間の欲というのが上手く描かれていたと思う。
成功が続くと、人間は欲がでてくるところはわかりやすい。
求めすぎると周囲が見えなくなって、失うものがある。
幸せの定義は人それぞれ違うから、
自分が大切にしているものは忘れないようにしなきゃと思えた。

成功も大事だけど、身近な人の幸せをを第一に考えられる人間でありたい。

観終わった後、音楽の余韻に浸るのはもちろん、
こんなにも幸せな気持ちになった映画ってどれくらいあったただろうかと考えた。

「もっとも崇高な芸術とは、人を幸せにすること」
バーナムのことばがとても心に響く。

【映画】犬猿

「ヒメアノ~ル」の監督が4年ぶりにオリジナル脚本でメガホンをとる。
同性の兄弟や姉妹がいる人は、あんなことあったなぁとかくだらないことで口喧嘩したなぁって
思えるシーンがある、きっと。

犬猿=仲悪いもの同士のぶつかり合い。
それぞれの兄弟、姉妹の物語でみていて胸が痛くなる(笑)
今回お笑いのニッチェの江上さんが役者として出演。
素晴らしい演技だったと思う。いや〜彼女に共感するというか、自分も妹がいるから、
わかるわかる!ちょっとその態度はないんじゃない?とかもうちょっと考えて物事いいなさいよ!って
共感するところがあった。

真面目な青年を演じる和成(窪田正孝さん)、不良で乱暴な兄の卓司(新井浩文さん)、和成に思いを寄せる仕事ができる由利亜(江上さん)、美人でモデルをしている真子(筧美和子さん)をメインにして展開される話。

kenen-movie.jp


兄弟の持っている才能が羨ましくなることって兄弟がいる人にとっては、
一度は感じたことがあるんじゃないかなと。
昔私もそうだったなぁ・・・。
と、彼らの言い合いや態度をみていて思う。
特にね、姉妹のやりとりは
姉の言うことはそうだし、でも妹の言うことも分からなくもない!
妹だから姉や家族に甘えたくなるってのもわかる。

妹には妹の良さがあって、自分にはなくて、
見た目とか体型とか。なんでこんなに違うのだろう?と思ったことがあった。

性格がひねくれていたのだろうか、妹もつんつんしていたから
お互いがぶつかり合っては喧嘩してをくちきかなくなって。
ほんと消えて欲しいとか一生しゃべらん!!って思ったけど、
お互い一人暮らしになって距離ができて、顔を合わすと、家族の話題になることから”姉妹だよなぁ”
って思える。久しぶりにあうと、ちょっとした距離を感じたりする、何を話そうかなとか気を使うみたいな。

兄弟姉妹にかかわらずだけど、大切な人が亡くなってしまう瞬間って、
幼い頃に一緒に過ごした時間が、頭をよぎるんだなと思った。
どんなに恨んでも、憎くて消えてほしいと思っていても。

和成が流す涙は、最低な人間だと思いつつも大好きな兄へ流したものだろう。
ちょっとね、ウルっとくるよ。


顔、性格、考え方が真逆で似てない兄弟、姉妹の話でした。

窪田くんはさすがです。
どんな役でもピタリと役にハマる。
そしてニッチェの演技はすごいね、女優魂発揮していたと思った。

持っている性格や人柄なんて、そう簡単にはかえられないよねぇ。
特に新井さんが演じた卓司役 は。

新井さんが今まで犯してきた自分の行為の凄まじさに反省したと思い気や、、、
夢を語りだす兄を見た、和成の目がもう「こいつ変わる気ないだろうな」と言うのが伝わってきた。個人の感想ね。

「あぁまた同じことの繰り返しだ。あの時兄の苦しいところを見過ごしておけば、平凡な生活が送れるのでは・・・」

と思っていたんではないかと私なりに解釈した。

演出のおふざけ感もあって、とても良かった。

江上さん、また映画やドラマに出てほしい。

【映画】ベロニカとの記憶

【人の記憶は年月が経つと、都合のいいように作り変える】

とてもとても優しい映画だった。
おじいさんの回想ノスタルジー映画。

60を過ぎて1人で暮らす主人公トニーの元に一通の手紙が届いて、トニー宛に遺した日記があると。その手紙を送ってきたのは、大学時代に付き合っていた彼女、ベロニカの母親だった。
ベロニカと過ごした時間を思い出す回想物語。

年を取っても青春時代の記憶っていうのは思い出すものなんだなあ〜と。
色、香り、音、温もりなど、学生時代トニーが感じたことがら伝わってくる。

印象に残っている人物の記憶は歳を取っても、”都合のいいように”残っているんじゃないかな。
ストーカーまで行くのはダメだなって思うけど、過去の謎を知る欲求が出たら誰しも、後を追う行為をしてしまいそう。

いくつ歳をとっても、人の気持ちを考えて行動したいものです。

小学校の記憶なんていっ15年前とかになって覚えていることは多々あるけど、ふわりとしているところは、トニーのように美しく書き換えられてる気がする。


ロンドンの街並みが綺麗。地下鉄シーンもあって懐かしい気持ちになる。

また、ロンドンの空気の匂いがしたよ。

 

【映画】スリー・ビルボード

予想できない衝撃なことの連続に感想が述べにくい。
アメリカの人種を上手く入れ、脚本賞、観客賞、作品賞、、、と多くの賞を獲る理由が分かる。
アカデミー賞にもノミネートされている。
怒りと愛が登場人物の心を動かしていく。


舞台はミズーリ州の田舎町。主人公ミルドレッドの娘は、9ヶ月前に殺されたのにもかかわらず、
警察は真っ向に動こうとしない。
どうにか警察に動いてもらうために、ミルドレッドは道路沿いに設置される3つの看板に、
ある広告を打つ。広告によって、ミルドレッド、警察と周囲の人の感情が動いていく

主人公ミルドレッドの怖いもの知らず精神、観ていてゾクゾクする。
感情を無にする、物事の関心がなくなってしまうと、
人は意識的に離れていってしまうのではないか。
ミルドレッドに好意を示す男性のように。
寄り添ってくれる人は大切にしたいと思った。

誰もが弱みや悲しみ、怒りとやり切れない思いを抱えている。

印象に残るシーンでいえば、人の怒りが連鎖して暴力的になってしまうところだ。
感情をむき出しにせず、人に愛情もってお優しく寄り添えたら
イライラが減って、いい世の中になるんじゃないかなと思う。

オレンジジュースを入れてあげるシーンには、うるっとした。
高鳴る鼓動と燃え上がっていた感情が、一気に静まる。

「怒りは怒りを来す」というメッセージが劇中に出てくる。
本作品の1つのテーマになっているんじゃないかと考える。

観終わった後は、オレンジジュースが飲みたくなった。

【映画】blank13 は涙と笑いが詰まった物語

【観た人の心と脳裏に、家族の風景が思い浮かぶと思う】

俳優の斎藤工さんが監督を務めた映画。
観終えた後に残る、あたたかさや優しい音の余韻が寝るまで残っていた。
余韻が消えないうちに感想を。

笑えて時には涙が目に浮かぶ。
涙と笑いをうまく融合した内容だった。
そして見事なキャスティング。

13年前に突然疾走した父(リリー・フランキー)の居場所が分かったが、余命3ヶ月だった。
弟のコウジ(高橋一生)は面会する、兄のヨシユキ(斎藤工)と母(新野美鈴)は面会を拒む。
そして3ヶ月後に父は亡くなってしまう。
葬儀には父のことを知る人が集まり、
父と家族の13年間の空白が、知らなかった真実やエピソードで埋まっていく物語。



佐藤二朗さんも出演しているんだけど、
彼が出るってことは、必ずどこかで笑いが起きる。
重たいテーマの中に、上手くコメディぽっさが入っていて、
斎藤工監督の一つの才能だと思った。
本当に素晴らしかった。


幸いなことに身内で亡くなった方がいないから、
葬儀にでたこともなければ火葬するところを見たことがない。
火葬シーンは、今この世から人がいなくなる、最後の瞬間だと思った。
命の誕生と死去命の儚さや尊さを目の当たりにした。

兄、弟、そして弟の彼女が火葬前で座っているシーンが忘れられない。
昔一緒に暮らしていたアパートでのこと、
キャッチボールをしたことなど
”家族の風景”がきっと脳裏によぎっていたんじゃないかな。

縁が切れていても、家族ってどこかで絶対繋がっている。
父親が子に対する愛や母親が子供を大切にする優しさが溢れた作品。
静けさの中に、日常で溢れる音が耳に残り、劇場を出た後も余韻に浸った。
主題歌を歌う笹川美和さんの「家族の風景」も内容にぴったり。

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シネマート新宿にて映画のワンシーン

観終わった後、綺麗なチケットがシュワクチャになっていた。
気持ちが弾みながらも、どこか緊張していたのだろう。

blank13
24日から全国順次公開。
現在は新宿シネマートのみ公開。

公開1週目のレディースデー。
劇場ギリギリに着いて、入り口でチケットを見せたらチケットもぎってくださったのが、
な、な、な、な、なんと斎藤工監督だったのだ!!!


後日Twitterのアカウントを知りました。

隣には神野三鈴さんもご一緒していました。
お忙しい合間時間を縫って、出向いてくれるお二人の心遣いと気持ち、人として素晴らしいです。

上手く人間を描いた物語。

そうそう、こんな邦画を観たかっんだ。

もう一度観にいこう。

Neverまとめました。
https://matome.naver.jp/m/odai/2151822130618840401

【ラジオ】自分の人生の主語を「自分」にすること

高橋みなみさんと朝井リョウさんのラジオ番組 ヨブンのこと
www.allnightnippon.com

毎週日曜22時半からニッポン放送で放送されている。

番組の途中から聴き始めて、朝井さんの口から「私の配偶者が・・・」と話していて、
「あれ、朝井さんって結婚していたの!?」と疑問に思いラジオに集中していた。

中盤からの内容、朝井リョウさんが考える「結婚する理由」が素晴らしくて、動いてた手が止まる。
「のに」→「だから」の考え方には、なるほど〜!と思い動いていた手が止まった。
使う言葉次第で、人間関係が健康になり、心が豊かになる

わかりやすい例えを用いて説明してくれていて、
言葉のセンスと説明が、さすが作家だなと。


◼自分の人生の主語を「自分」にすること

好きなアーティストやアイドルの猛烈なファンになったらお金と時間を割いて「◯◯君のために、あなたのために」と人生全てを預けて応援。ただ「◯◯のため」という考え方でいると、
スキャンダルや解散が起きた瞬間に、私はこんだけ◯◯君のために時間とお金を捧げた「のに」という、
逆説の表現が生まれる。
誰かの為に何かやろうとすると、どうしてもその先に見返りを求めてしまって、相手に対して勝手に失望してしまうんだろうな〜。

人に何かをしてあげる時、応援する時などは、自己中にならない程度で、「主語を自分」にして話す。
「私はあなたに色んな世界を知って欲しかった。”だから”あなたに沢山習い事させたの。」
「私は料理でこんな味を表現してみたくて。だからあなたに食べさせたかったの。」
何か文句を言われたり、思ったことが起きたとしても、
自分がしたかった目的や考えがあってこそだから、裏切られた感や喪失感がなくなるんだなって思った。

心を健康に、人生を豊かにするための考えが
2月4日の「ヨブンのこと」に詰まっていた。

朝井さんは去年結婚されたとのこと。おめでとうございます。
朝井さんの考えが素敵で、それ以上に朝井さんのパートナーの方も素敵だ。
「この世界でお互いが健康に生きて行くために手を組んだ」、それが結婚だった、だからお互いに手を取った。
おっしゃっていた言葉がかっこいい。

「ヨブンのこと」高橋みなみちゃんと朝井さんの他愛ない会話からちょっとしたツッコミやボケが面白いんだけど、
それ以上に朝井さんの考え方を学べる気がしている。
朝井さんの思考に触れることができる30分。


これからの朝井さんの作品が楽しみ。